Create a new work style

~副業から起業を目指すサラリーマンの日常と備忘録~

Creative mind in the business

副業と起業のためのクリエイティブ・マインド

副業サラリーマンできあがるまで⑱ ~創業者と後継者の目線~

「人の強みよりも弱みに目がいく者をマネジメントの地位につけてはならない。
  人のできることに目の向かない者は組織の精神を損なう」
   (ピーター・ドラッカー)

自己紹介がてら振り返る歴史⑱

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環境の急変と崩壊の予感

後輩君とのチーム仕事に慣れ、日々の新しい業務の流れも安定してきた頃、またまた社内に大きな動きが起こります。以前より、引退を考えていると口にしていた社長が、ある年明けの節目を機に引退する、と宣言したのです。僕が入社するずっと以前よりこの話は出ていたそうなのですが(笑) 年齢的なものなのか、新たに社員が入って多少の安定感を感じてらしたのか、ついに公に代を息子に移すと宣言し、世代交代が起こることになりました。

何がどう変わるかは予想できませんでしたが、明らかに社長と坊ちゃんでは仕事に対する考え方が違います。元々、営業畑の社長は小さい得意先もコツコツ繋げながら安定した経営を心がけていた人でした。営業の後輩君も、社長の面接で入社していると言う事もあり、社長の営業イズムを引き継いでいるようで、小さくとも各得意先に顔を出して、足を使って売上を作っていくタイプの営業スタイルを大事にしている人でした。が、坊っちゃんはと言うと一攫千金型で、小さい得意先なんかはいいから、とにかく単発でも大きな取引をドーンと当てたい! 無名の得意先の中規模な仕事より、自慢につながるような有名な得意先との実績を、と言ったタイプの人です。実際に少しロットの大きい単発の仕事は過去にありましたが、それから繋がっている事はほぼありません。これは会社としてはとても怖い事です。

新体制が発足してからはと言うもの、社内の細かい所を自分好みに是正していくとばかりに、様々な事に口を挟むようになった新社長の坊ちゃんは、この後輩君の営業スタイルにも苦言を呈するようになってくるのです。「チマチマした売上を追いかけたってダメだ、もっとおっきな仕事をドーンと取ってこないと!」言いたい事はわかりますが、塵も積もって土台が成り立っている会社です。小さくとも日々の売上が無くなれば会社自体の存続にも関わります。元々、父親のやり方に反発していた人なので、父親と同じような営業スタイルで作られた結果に反発したかったのだとは思いますが、現実的に後輩君の実績が営業利益の多くを占めていたのが現状です。

そして僕が彼のサポートをしていたのも気に食わなかったのでしょう。「本来WEB販売が専門なんだから、営業に時間取られてる場合じゃないでしょ。あんまり甘やかさないで自分の仕事をするように。」と、僕の仕事にもチクリと釘が刺されました。色々な仕事がやりにくくなるかなぁ~とも思いながら、起こってしまった事態は今更どうにもなりません。昔からいるパートさんは「完全に世代が変わったらこの会社は終わり。」なんて事も苦笑いで言っておられる始末です。しかしながら、現実的に経営と言う面で考えたら、経理の数字もまともに目に入れない、社内の人間ともほぼコミュニケーションを取らない、会社全体の流れを把握していないし、新たに作ろうともしない、そんな新社長の事を考えると会社の先々には大きな破綻が待っているのでは? これに関しては社内のほぼ全ての人間が、同意見を抱いていると考えられるから笑い話にはできない事なのです。

幸いにも社長は完全引退と言う事には至らず、会長職として今後も会社に関わり続けていくとの事なので、その点に関しては少しホッとしたのですが、現場のスタッフさんとも後輩君とも馬が合わない新社長の新体制の発足に、もう一つ二つ波乱が起こりそうな予感を残しつつ、僕は「いつまでも会社に頼っていられるわけではない」と言う気持ちがより大きなものになってきました。そして、改めて自分で何か始めなくては、と言う気持ちに拍車がかかります。

足元が少し不安定になりつつも、少しずつ動き出そうとしていた僕ですが、大きく背中を押されたのは「将来への危機感」と言うのが大きな要因でした。

それでは今回はこのへんで。それではまた、ごきげんよう